【LP】Lori Vambe – Drumland Dreamland

自作楽器「ドラム・ギター(Drumgita)」を基礎に逆再生やオーバーダビングを駆使して四次元へのアクセスを目指したUKブラック・エクスペリメンタル・ミュージックの隠された秘宝が名門<strut>より待望の復刻。

ジンバブエのハラレに生まれたロリ・ヴァンべは、1959年にロンドンへと移住。1970年代にはブリクストン・スクワット運動(空き家の無断占拠=スクワットを通じて文化的自立を志向した運動で、政治的であると同時に芸術活動とも結びついた)に参加し、独学でドラムを学んだ。

ある日ヴァンべは、へその緒から延びた未知の楽器を演奏しながら恍惚の感覚を得るという夢を体験したのだという。そしてヴァンべは、「ドラム・ギター(Drumgita)」あるいは「ストリング・ドラム」と呼ばれる独自の楽器を創り出すことによって自身の夢の具現化を試みた。

この独自の楽器を用いて、ヴァンべは1982年、自主レーベル〈Drumony Records〉に2枚のホームレコーディング作品(『Drumland Dreamland』『Drumgita Solo』)を残した。逆再生やオーバーダビングを駆使して四次元へのアクセスを目指したこれらのアルバムは、ブリティッシュ・ブラック・エクスペリメンタル・ミュージックの隠された秘宝である。

2023年にはロンドンの名門レーベル〈STRUT RECORDS〉がこの2枚のアルバムをまとめたコンピレーション・アルバム『Space-Time Dreamtime』としてリリースしていたが、この度この2枚のアルバムがそれぞれ単体のアルバムとして初めてリイシューされることとなった。

本作『Drumland Dreamland』は、幽玄なムードに包まれた作品だ。ブラジル人ピアニスト、ラファエル・ドス・サントスによる即興的な演奏とパーカッション、そしてヴァンべのドラムギターが織り成すグルーヴは、プリミティヴであると同時にスピリチュアル。不穏な瞬間もあれば、息を呑むような美しさを感じさせる瞬間もある。

自主制作のオリジナル盤は高騰しており、アルバム単体でのリイシューは初めて。アウトサイダー・ミュージックやニューエイジ・ミュージックのファンに大推薦の内容だ。(メーカー)

-Track List-
A1. DRUMSONG (ONE)
A2. DRUMSONG (TWO)
A3. DRUMSONG (THREE)
A4. STRUMELODY
B1. DRUMELODY (ONE)
B2. DRUMELODY (TWO)
B3. YDOLEMURD
B4. HUM DRUM DRING (ONE)
B5. HUM DRUM DRING (TWO)(THE FREEDRUM SONG)

Label:STRUT(STRUT340LP1)